待ちに待った花火シーズン到来!でも、今年は去年と違う視点で花火を深く楽しみたい。
そんなあなたにお届けする、花火がもっと好きになる特別企画!
打上花火の構造は大きく三つに分けられる
花火玉の構造と開花時の玉の割れ方で、代表的な「割物」以外に、「小割物(半割物)」と「ポカ物」があり、「割物」のジャンルの一つに「型物」が位置付けられます。
1:割 物 〈わりもの〉
球状の花火玉が、四方八方全方向に球皮が飛び散る姿から名付けられた、「世界一美しい」と賞賛される日本の伝統花火の基本形。導火線から「割火薬」に点火すると、同時に仕込まれた全ての「星」が発光しながら飛び散り、美しい光の円を夜空に描き出す。
菊 〈きく〉
星が光を放ちながら尾を引いて開く花火を「菊」と呼び、地上まで垂れ下がるように尾を引く物を「冠(かむろ)菊」と呼びます。新潟県民が最も好きな花火です。
牡丹 〈ぼたん〉
星が尾を引かずに飛び散るように開く花火を「牡丹」と呼びます。色のインパクトが強くスターマインに多用されます。
2:小割物 〈こわりもの〉
球飛び散るのは割物の「星」すなわち火薬玉に対して「小さな花火玉」です。上空で破裂しても僅かの間は何も見えませんが、一息おいてから小花が一斉に開花する「千輪菊」が代表例ですが、その他、万華鏡、椰子、花雷など様々なタイプの新作が次々発表されています。
千輪菊 〈せんりんきく〉
様々な色の小花を一斉に咲かせる「彩色千輪」
椰子 〈やし〉
椰子の葉のように太い花弁が伸びるデザイン性の強い花火
群蝶 〈ぐんちょう〉
芯に菊の星を配して花に群れる沢山の蝶々を表現した応用形
万華鏡 〈まんげきょう〉
和紙で星を分包して花弁が外側にまとまって広がる類似型
3:ポカ物 〈ぽかもの〉
ボール状の球体の玉皮がポカッと二つに割れて、収納された星や細工を放出するものをポカ物と呼びます。割薬も少なく、花火の拡がりも狭くなりますが、内包するものによって色々な機能の花火が工夫できます。
飛遊星 〈ひゆうせい〉
星が不規則に飛び回りスターマイン等では動きを出すための重要な役回り
蜂 〈はち〉
空中で鼠花火を放出する原理で、シュルシュル音を立てて不規則に動く
柳 〈やなぎ〉
スターマインなどで場面の転換や余韻を残す時に多用される
番外編:型 物 〈かたもの〉
割物花火の応用形で、夜空に文字を描いたり、ニコニコマークやキャラクター、蝶やリボンなどの絵柄を浮き出させたり、スターマインにメッセージ性を持たせる時に多用されます。
構造は割物の牡丹の星を表現する形に並べ、綿の実などで玉皮の中身を埋めます。割火薬は反対側の玉殻に詰めるのが一般的です。但しこの形の絵花火は平面的なため、見る角度によっては「ただの線」になってしまいますので、観客席に断面が向かって破裂するよう凧の尾のような仕掛けや羽などを付けて工夫している花火師も居ます。
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