ピックアップアーティスト
2024年ハミングタイム夏号掲載
新潟に生まれ新潟の風景を紡ぐ
叙情詩と唯一無二の音楽空間
新潟県北蒲原郡紫雲寺町出身のシンガーソングライター「笹川美和」。
彼女の生ライブを初めて見た時のある種の衝撃は今も鮮烈に思い起こされる。
詩の内容は「日常の風景を全く別のレンズで覘いたよう」とでも言おうか、「哲学的」とでも言おうか、天才アーティストはこういう人の事を指すんだと頷いた。
例えば15年前の楽曲「街生まれ、田舎生まれ」。
秋空を埋め尽くすように群れて飛ぶ赤トンボは新潟人なら当たり前の風景、朝目覚めると白くなっている冬の情景も当たり前、でも育った場所やバックボーンが異なる人にとっては全く別の風景。
見方が変われば全く別の景色にもなるし、自分も変わっていくかも知れないと言う深い詞は刺さる。
音楽ビジネスの世界では常に流行廃りが激しいが、笹川美和の音楽はブレずに自分の世界感を淡々と綴り続け20周年Yearを迎えた。
新潟に住んでいるとその風景描写にはハッとさせられる。
そして詩をのせる旋律も極限までナチュラルで、まるで無重力空間を彷徨っているような錯覚にさせる大きな包容力。
プロのミュージシャンたちからも常に高い評価を得て信頼も厚い。
新潟が生んだ歌姫の「節目のライブ」を是非聴いて欲しい。
(小柳はじめ)
■ 笹川美和プロフィール
1983 年2 月23 日生まれ、旧紫雲寺町出身。シンガーソングライター。
学生時代から地元・新潟を拠点に音楽活動を始め、2003 年にavex trax よりシングル「笑」でメジャーデビュー。
その独創的な世界と歌声が話題を集め、数々のCM やドラマ、舞台の主題歌に起用される。
2003 年のデビュー以降、言葉を紡ぎ出すストーリーテラーな面と経験を歌に昇華することから、エッセイスト的シンガーソングライターとして唯一無二の楽曲を生み出している。
佐渡ヶ島を舞台にした映画「舞倒れ」の主題歌「青海原」を2024 年3 月にデジタルリリース。
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