ピックアップアーティスト

2023年ハミングタイム秋号掲載

杉山清貴&三浦和人

フォーク~ポップス世代の接着剤


これぞ良いライブのお手本!

海外で日本のシティポップが高く評価されている。火付け役は「山下達郎」や「竹内まりや」等であったが、その後2020年には、松原みきの「真夜中のドア」がインドネシアの歌姫「レイニッチ」のカバーで、配信チャートで世界1位を獲得するなど、ブームの広がりはとんでもないことになっている。

欧米クラブシーンでの「一過性の現象」と冷めた目で見ていたらとんでもない「今最も輝いている楽曲」が昭和60年頃の日本の曲たちなのだ。

そんな世界的シティポップの代表的な歌い手の一人が杉山清貴だ。ヤマハポプコン出身で、アコースティックギターでビートルズを弾き語りするのが元来のスタイルだった。バンドを引き連れたオメガトライブ時代は、サングラスをかけて「SUMMER SUSPICION」「ふたりの夏物語」等の大ヒットを連発したので、真逆のイメージを持っている方は多いが、実は生粋のフォーク少年だったとのこと。還暦を過ぎて、居を構えている鎌倉の海にピッタリな清涼感、そして往時と変わらない艶のある歌声は健在だ。

今回、ライブでコンビを組む三浦和人も1980年デビューでポプコンの先輩。雅夢の「愛はかげろう」の大ヒットで一躍人気アティストの仲間入りをしたが、音楽のベースはTHEフォーク。FMの長寿番組DJを長らく担当したこともあり、当時全盛だった歌謡曲、ポップス、ロック、ミューミュージックとありとあらゆる音楽ジャンルに精通し、音楽仲間からの信頼も厚い。

世界が認めるシティポップとそのベースにあるフォーク。二人が繰り広げる「日本の音楽シーンが最も輝いていた時代」を彷彿とさせるライブの完成度は極めて高い。

(小柳はじめ)


■ 杉山清貴プロフィール

第19 回ヤマハポピュラーソングコンテストで入賞。1983 年、杉山清貴&オメガトライブ『SUMMER SUSPICION』でデビュー。

1986 年『さよならのオーシャン』でソロ・デビュー、20 万枚のヒットとなる。J-POP/J-AOR のカリスマ的存在として一時代を築く。

今年5 月にデビュー40 周年を記念した杉山清貴& オメガトライブ時代の楽曲も含む初の『オールタイムベスト』を発表した。

 

■ 三浦和人プロフィール

雅夢として第19 回ヤマハポピュラーコンテストに出場し、「愛はかげろう」でつま恋本選会優秀曲賞受賞。1980 年9 月に「愛はかげろう」でレコードデビュー。

コンサートやラジオパーソナリティーなど、精力的に活動している。

2020 年2 月にデビュー40 周年を記念したアルバム『それぞれの明日』を発表、2021年3 月に40 周年コンサートの模様をソロ初の配信スタートした。