ピックアップアーティスト

2023年ハミングタイム夏号掲載

八神 純子

圧巻の歌声に誰もが100% 衝撃を受ける


本物のライブはコレだ!

日本の音楽シーンが最も革新的で活気が漲っていた1974~75年、八神純子は高校在学中にポプコンに連続出場を果たしている。フォーク黄金期であり、ニューミュージックやJポップ、現在世界で高く評価されるシティポップの黎明期とも重なる時代だ。

1978年、二十歳の誕生日に「思い出は美しすぎて」でプロデビューを果たす。伸びやかな美声とパワフルな歌唱、ラテン系のエッセンスを取り込んだ「みずいろの雨」は、ラジオや有線放送でジワジワと火がつき、ピアノ弾き語りに、十字架デザインのサンバホイッスルと言うインパクトのあるスタイルで、その年を代表する空前のヒット曲となった。

その後、「想い出のスクリーン」「ポーラー・スター」「パープルタウン」「Mr.ブルー~私の地球~」など数々のヒットに恵まれながらもバブル絶頂期に渡米し結婚。二人の子育てに追われる中、徐々に音楽活動から離れていったという。

彼女が日本の音楽シーンに戻ってきたのは東日本大震災がキッカケだった。子育てが一段落する中、被災地を訪問して改めて『歌の持つチカラ』に気付かされ

たという。

カムバック後は単なる「昭和のポップス歌手」とは全く異次元の存在だ。ドラマチックな楽曲は、『良い形で年齢を重ねた』からこその深みが際立ち、歓び悲しみの情感がたっぷりと内包されるステージに誰もが驚愕の声を発する。 また、先日放送の特番「今聴きたい昭和の名曲!レジェンド18選」では、デビュー当時と変わらない熱唱に「声が変わらない」「声量がすごい!」とスタジオ内は騒然。

現在は大都市でリズム隊を加えたバンドスタイルの他、ピアノの宮本貴奈、ギターの竹中俊二の2人の名手と共に全国を巡る「キミの街へ」は、先日100都市公演を達成し「まだ行ったことのない街」へ歌を届け続けるのだという。

今、絶対に聴いて欲しい圧巻のコンサートは、今年県内二カ所で開催する。

(小柳はじめ)


■ プロフィール

1974 年『第8 回ヤマハポピュラーソングコンテスト』に出場し、「雨の日のひとりごと」で優秀曲賞に入賞。その後、多くのヒット曲を放ち、1980 年には「パープルタウン」で紅白歌合戦に出場。

米国人と結婚を機にアメリカに居住し、2022 年「女性ソングライターの殿堂」に日本の女性シンガーでは初となる殿堂入りを果たす。

今回のステージはシンプルながらも厚みとリズム感に富んだピアノとギターが支え、昔とキーを変えない圧倒的な声量で歌い上げます。

「八神純子はこんなにも歌が上手いのか」と言わしめるステージを是非ご覧ください。