ピックアップアーティスト
2025年ハミングタイム冬号掲載
自由奔放かつ激しく魂をぶつける
ジャパニーズJAZZのパイオニア
つい先日のことだ。「休養のため山下洋輔が年内をもってライブは休む」の記事を見て慌ててスケジュールを確認した。年末までほぼ週に1~2本ペースでライブを行っているが自身のスケジュールが合わない。そんな矢先、来年3月に、にいがた音楽鑑賞会が、りゅーとぴあコンサートホールでライブを行うと言うビックニュースが飛び込んできた。
'50年代後半から活動を開始した山下洋輔は、日本のジャズ界のパイオニアであり、'70年代~'80年代にかけて、世界的なフリージャズやアヴァンギャルドジャズの潮流の中で、自由奔放で突飛押しもない即興演奏で聴衆を沸かせた「世界にその名を轟かせた異才」で、独自の視点の軽妙なエッセイや小説も執筆するほど多彩なアーティストだ。
幼少期からクラシック音楽で培った基礎に加えて、学生時代に没頭したジャズ、そしてフリージャズの従来の枠に収まらない自由な表現を追求し、あまりに力強すぎる演奏により関係者に「ピアノを壊してしまうからお断り」とまで言わしめた。
'08年には石川県能登で「ピアノ炎上」を35年ぶりに再演。防火服を着てピアノが燃え尽きるまで弾き続けるという、狂気じみた前代未聞のパフォーマンスは大いに話題になった。
世間から『暴れピアニスト』とも評されても尚、自由を追い求めて魂の演奏を指向したことからも、その桁外れな存在感は唯一無二のプレーヤーと称しても良いだろう。
御年83歳となり地方での公演はラストとなる可能性が高く、見逃すわけにはいかない貴重な公演になるだろう。
(小柳はじめ)
山下 洋輔プロフィール
1969 年、山下洋輔トリオを結成、フリー・フォームのエネルギッシュな演奏でジャズ界に大きな衝撃を与える。国内外のジャズ・アーティストはもとより、和太鼓やシンフォニー・オーケストラとの共演など多彩に活動する。
88 年、山下洋輔ニューヨーク・トリオを結成。国内のみならず世界各国で演奏活動を展開する。
2006 年オーネット・コールマンと、07 年にはセシル・テイラーと共演。
08 年「ピアノ協奏曲第3 番<エクスプローラー>」を発表。
09 年、一柳慧作曲「ピアノ協奏曲第4 番 "JAZZ"」を世界初演。
16 年、ウィーン楽友協会ホールで佐渡裕指揮のトーンキュンストラー管弦楽団と共演。
18 年、ニューヨーク・トリオ結成30 周年記念アルバム『30 光年の浮遊』をリリースし、国内ツアーを行う。
19 年、山下洋輔トリオ結成50 周年記念コンサートを開催。
20年、ソロピアノ・アルバム『 クワイエット・メモリーズ』をリリース。
1999 年芸術選奨文部大臣賞、2003 年紫綬褒章、12 年旭日小綬章、24年毎日芸術賞を受賞。
国立音楽大学招聘教授。
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