ピックアップアーティスト
2025年ハミングタイム春号掲載
90分間「笑いっぱなし」確約保証!
寄席で鍛えられた正統派の話芸
『母心』と聞いて「ん?」と思う読者も多いだろう。テレビのバラエティでも「お笑い芸人」が引っ張りだこで、芸人を見ない日は無いと言っても過言ではない。
そんな旬の「漫才師」でありながらテレビで見ることは少なく、主な活動は浅草の「寄席小屋」。亡き三遊亭円楽師匠の下、厳しい芸の世界で辛口の観客に鍛え上げられたと言う。
2008年のコンビ結成でベテランの域に入りつつあるが、2014年に「漫才新人大賞」、2019年は「漫才協会王座決定戦」優勝と言う快挙を達成している実力派かつ正統派だ。
最近の若者ウケする漫才は、スピードとワンキャッチで攻め立てる「瞬発力型漫才」と言っていいが、母心はそれとは真逆のスタイルで「持久走型漫才」だ。今のネット主流の時代はテレビでも動画でも短いネタが好まれる傾向で、例えばMー1グランプリでは1回戦はたったの2分、決勝でも4分以内の短尺の勝負が鍵だが、丁寧で厚みのある話芸を求められる寄席では逆にブーイングだろう。
福島が拠点の「ローカルお笑い集団」でコンビ結成後は、地元テレビ局にも度々呼ばれる存在になっていたが、まもなく東日本大震災に見舞われる。一旦は避難したものの被災者のためにカツラを被り避難所訪問を行ったという。
そんな二人の現在地は「それぞれが自立して生涯芸人を続ける」ことだと言う。オカンの嶋川は故郷高岡市でローカル政治家として、関は絵本作家として二足のわらじを履きつつ芸を磨いている。
今春、地元テレビ局での知名度も高かった福島・富山両県で単独ライブを行うと聞き、5年ぶりとなる新潟公演開催を即決した。
春爛漫の1日、日本舞踊名取の演じる看板芸「歌舞伎漫才」はもちろん、「笑いの渦」に身を沈めてみては如何だろう。
(小柳はじめ)
母心プロフィール
●嶋川武秀 1978 年富山県高岡市生まれ
●関あつし 1979 年茨城県日立市生まれ
※平成20 年1 月に福島県でコンビ結成
平成24年 平成24年度 花形演芸大賞 銀賞受賞
平成26年 第13回「漫才新人大賞」受賞
令和元年 漫才大会第50回記念特別公演「漫才協会王座決定戦」優勝
令和 4年 令和4年度 花形演芸大賞 金賞受賞
以降、「笑点」に毎年の出演もあり人気上昇中!
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