”食の都庄内”へ
ユネスコ食文化創造都市 認定10周年記念 No4
一般社団法人DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー
中 野 律
田畑の収穫が一段落した11月23日、鶴岡では「田の神あげ」が行われました。
これは、春に山を下った神様が『田の神』となり、その勤めを終える秋には山に登って『山の神』となると言われ、一年間田んぼを守っていただいた神様に感謝し、田の神が山に帰るのを送る行事です。今年採れたもち米で餅をつき、稲穂、御神酒、新米と尾頭付きの焼き魚とともに神棚に供えます。鶴岡ではその年の新米はこの日に初めて食べると言う家庭も多いです。
11月23日を超えると一気に冬が進みます。
寒さが厳しい雪国では、塩蔵や乾物といった長い冬の食卓を豊かにする知恵がたくさんあります。里で収穫した野菜は乾燥や塩蔵にして長い冬に備えます。特に里芋の茎(芋がら)を乾燥したものは、納豆汁や正月のお雑煮用の具に欠かせない食材のため
軒先に干している様子が農村地帯で見られます。山間地域では冬越し用の大量の薪がきれいに並べてある風景に出会います。その地域の暮らしが感じられる風景が私は好きです。
このパンフレットがお手元に届く頃の12月7日から12月11日までは、七十二候の「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」にあたります。春から秋まで行われていた天地の交流が終わり、天も地も寒さで塞がれ、本格的な冬到来の頃という意味です。特に雪国の冬は厳しい寒さから負のイメージを持つ方も多いかと思いますが、この冬の〝寒さ〟を利用して造られる日本酒をはじめとした「発酵食」や、寒さがおいしくしてくれる「食材」、体を癒す「湯治(温泉)」など豊かに暮らす文化がたくさんあります。その中で庄内の冬と言ったら、なんと言っても寒鱈。鱈は魚偏に雪と書きますが、その字のごとく雪が降る頃から美味しさを増す魚です。庄内の一年のうちで一番寒い1月中旬~2月中旬までの時期に獲れる真鱈を「寒鱈」と呼び冬のごちそうとして親しまれています。寒鱈の代表的な食べ方は「どんがら汁」です。どんがらとは身を捌いた後の魚の頭、内臓、骨、ヒレなどの総称です。寒鱈の身やどんがらをぶつ切りにして煮込み、あぶらわたと言われる肝臓と味噌で味付けします。寒だらの美味しい時期には週末ごとに「寒だ
らまつり」が開催されるほどです。
寒さが厳しい雪国の暮らしは大変ですが、冬に積もった雪が春になると解けだし、ミネラル豊富な水が山から海までを潤し、おいしい食材を育みます。四季がしっかり感じられる鶴岡は自然との対話ができる素敵な場所です。
今年も新潟の皆様からお越しいただき、私の好きな鶴岡を紹介できましたことにとても感謝しています。ありがとうございました。今年度最後の冬号の鶴岡の旅行商品は、新しい年を迎えてからのスタートです。またお会いできますことを楽しみにしております。
ハミングツアーの鶴岡・庄内企画総合プロデューサー
(一社)DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー DMO職員
ユネスコ食文化創造都市鶴岡の魅力ある食文化を伝える「鶴岡ふうどガイド」事務局として食文化に特化した旅行企画を担当
旅応援!
庄内酒田遊佐復興応援ツアーが催行されました!
秋号掲載の7 月の大雨災害からの復興を応援する2 本のツアーは
多くのお客様にご参加いただき満席で出発することができました。
10/24(木)
「酒田フレンチ」の名店ル・ポットフーと紅葉の鳥海山で庄内の魅力満喫
【42名様】
酒田では、酒田フレンチのランチと山居倉庫をお楽しみいただきました。
道の駅鳥海 ふらっと
駅長からお出迎えいただき遊佐の名産品のお買い物
ハミングツアーでは、
鶴岡の食を楽しむツアーを1年を通じて企画します。
鳥海山の紅葉と珍しい
ブロッケン現象
当日は天気が心配されましたが、 ブルーラインからの庄内平野の眺めと紅葉をお楽しみいただけたようです。少し曇っていたことで、ブロッケン現象が見られて歓声が上がっていたともお聞きしました。道の駅鳥海 ふらっとでは、お客様から沢山のお土産品をご購入いただきありがたく存じます。
本ツアーで新潟のお客様に遊佐にお越しいただき深く感謝申し上げます。
遊佐町総合交流促進施設株式会社 渋谷 和弘
11/19(火) 食の都庄内で山・里・海の恵みを食べ尽くす!ぐるめぐり2日間【37名】 も
多くのお客様にご参加いただきました。
ハミングツアーでは、
鶴岡の食を楽しむツアーを1年を通じて企画します。
<協力>鶴岡市 企画部食文化創造都市推進課
一般社団法人 DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー
2025/3/12